私たちは「オリンピック候補会場の放射線を測る市民グループ」です。当会へのお問い合わせは連絡フォームをご利用ください。

「東京オリンピック候補会場の放射線」市民報告集会を開きました

8月28日夕方、文京区民センターで「東京オリンピック候補会場の放射線」をテーマにした市民報告集会を開きました。6月中旬にIOCと各国のNOCに手紙と測定データを送って以来、参院選などもあって少し間があきましたが、9月7日にアルゼンチンのブエノスアイレスでIOC総会が開かれ、2020年の開催都市が決まる予定ですので、その前に公開の場で報告することにしたものです。

報告集会の参加者は28人でした。地域別では、都内からは北区、文京区、板橋区、練馬区、港区、目黒区、世田谷区、江東区、葛飾区、中野区、荒川区、墨田区、小金井市、その他と、千葉県、神奈川県および複数のジャーナリストでした。測る会の活動への参加状況に見合って、地域的な広がりが特徴的でした。

集会では、測る会の活動の趣旨と経過について、本来は国や自治体が測定すべきだが、やらないので市民の力でやるしかなかった、3月30日の第1回相談会がそのまま「測る会」の発足となり、それからの1ヵ月半、みんなの自発的で積極的な協力でデータが集積されていった、その後のデータ処理と作表、英仏語への翻訳なども、それぞれの特技や能力を生かした奮闘で進められたなど、即席の市民活動とは思われない緊密で充実した活動を経て、IOCと各国NOCに送付できたと報告されました。

次いで空間線量の測定結果について、2ページ10項目のメモに基づいてデータの見方が説明されました。測定した各施設では、福島第一原発事故の前の東京の平均的な空間線量の2~5倍(中には10倍上も)あること、測定したのはガンマ線だけでしたが、放射性セシウムのあるところには必ずと言っていいほど放射性ストロンチウム(ベータ核種)や放射性ヨウ素(ベータ、ガンマ両方)、プルトニウム(アルファ核種)も存在する可能性があると説明。また、東京湾沿岸に競技場が多く配置される予定だが、東京湾には放射性物質が川から蓄積されつつあること、食品の汚染検査はきわめて貧弱であることなども語られました。

続いて「日暮里放射能測定所にっこり館」の館長が、測定施設の土壌中のセシウム134と137のデータについて解説。特に「詳細表」で見られるセシウム134(半減期2年)の値は、事故から2年以上経っているので当初は2倍あったと見るのが妥当だと指摘しました。測る会では当初、空間線量の測定だけを考えていたので、市民放射能測定所の参加と協力で土壌汚染も測定できたのは良かったという意見が会場からも出されました。

以上の報告を受けて、質疑や意見交換が1時間以上にわたって続けられました。取材にきたジャーナリストからも、測定器の数や種類、データの取り方など突っ込んだ質問もありました。ちなみに、内外のメディア73社に案内を出していましたが、この日に取材に来たのは2社で、記者が出張中であったため参加できず、数日後に資料とデータを渡して記事にまとめることになった海外メディアが1社ありました。

なお、測る会のHPが立ちあがり、IOCへの手紙や総括表、詳細表など基本資料はすでにアップされています。英語版と仏語版の資料も載せるので、市民が自ら測定活動を行ったこと、その結果、オリンピック候補会場の放射線量は決して低くないことが分かったことを、内外の人びとや市民グループに知らせていこうということになりました。短い時間でしたが、内容の濃い充実した集会でした。

他の資料

>>報告会資料:オリンピック会場の空間線量測定結果について

>>報告会で使用したスライド

測定結果のPDFについて

PDFファイルをご覧になるためには、Adobe Readerというソフトが必要です。Adobe Readerは無料で配布されておりますので、最新版をダウンロードしてご利用ください。

Get Adobe Reader (新しいウィンドウが開きます)

inserted by FC2 system